包装内の酸素を極力抑制するやり方にも、ガス遮断性の優れたフィルムを使用した密着包装、窒素ガスを封入して酸素の増殖を抑制する窒素置換包装、そして脱酸素剤を包装内に残留酸素を吸収してしまう脱酸素剤封入包装などが考えられていました。脱酸素剤を使用するものも、包装袋の中に食品と一緒に入れるものから、袋の内面に張り付けてあったりとその形態はいろいろです。この脱酸素剤の使用は20世紀前半、欧米で鉄粉を使用したのが始まりと言われています。1グラムの鉄粉でおおよそ200㎥の酸素を吸収すると言われており、20世紀後半に入って窒素封入で包装内の残留酸素を除去する方法や水素との反応を利用して水に変えてしまう等のいろいろ考案されていきました。そして、日本で開発されたのが脱酸素剤を包装内に入れて吸収させてしまうもの。この脱酸素剤は基本的に酸化促進剤となる塩分を塗布した鉄粉(若しくは酸化鉄)を使用するものでこれを酸素透過性をコントロールされた小袋フィルムに入れて作ったもの。そしてさらに包装容器とした素材自体に酸素吸収力を備えたものも開発され、その進化は留まるところを知りません。