機能性包装材料のうち、今日次のような「揮発性物質吸着性・分解性」「抗菌性」「吸水性」「吸湿性」「耐熱性」他があります。
簡単に機能の概要を説明します。
①「揮発性物質吸着性・分解性」は、青果物の鮮度保持包装において、内容品が発生するエチレンガスやアルデヒドによって鮮度が低下する場合、有害物質を吸着する包材や包装副資材が鮮度保持包装で使用されます。
吸着剤としては、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナなどが、分解剤としては、過マンガン酸カリや臭素化活性炭などが使われています。
②「抗菌性」は、銀ゼオライトには抗菌性が認められており、医療用器材、家庭雑貨、トイレタリーの製品や一部食品包材に応用されています。
エタノール蒸気、ヒノキチオール、カラシの辛み成分であるアリルイソチオシアネートなどの蒸気を除放する製剤や包材や、アリルイソチオシアネートの除放するフィルムは御節料理や弁当容器の内蓋としての応用例があるようです。
③「吸水性」は、高分子吸水剤(吸水ポリマー)を利用した吸水性包材で、肉、魚などのドリップ吸収用トレイ中敷き、フライドチキン、ビザなどの加熱したテイクアウト食品の結露防止、青果物、切り花のしおれ防止などに適用されています。
④「吸湿性」は、乾燥食品包装では、シリカゲルや塩化カルシウムなどの乾燥剤が副資材として一般的に用いられており、乾燥剤を練り込んだプラスチックのフィルムや容器も開発され、使用例もあるようです。
⑤「耐熱性」は、レトルト食品は120~135℃の熱水や蒸気で殺菌が行われるため、包材には耐熱性が要求され、また昨今電子レンジやオーブンで加熱される調理食品の普及で、このような食品の包材や容器にも耐熱性が要求されてきます。
最後に「その他」として、高強度、緩衝性、収縮性、帯電防止性、防錆性などがあり、また便利性に関係する機能で最も重要な、フィルム包装や容器蓋のイージーオープン性でありまます。
再封性(リクローザブル性)をもつジッパー付きパウチも適用例が多くなってきています。
電子レンジ加熱適性も便利性の1つで、開封しないで電子レンジ加熱が可能なオートオープン機能をもつパウチや容器が開発され、適用例は少ないですが、加熱機能や冷却機能を付与した容器も開発されています。