機能性包装材の非吸着性

機能性包装材料のうち、代表的な保護機能としての「バリア性」の他、今日は次のような「非吸着性」「透過性、選択透過性」があります。

①「非収着性」は、食品や飲料に含まれる成分が包装材料に収着され、フレーバーが変化することがあります。

代表例としては、内面材がポリエチレン(PE) である包材にオレンジジュースを充填した場合、オレンジジュースのフレーバー成分であるリモネンがPEに収着されて変化することが挙げられます。

香油などのフレーバー成分の収着が少ない樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、EVOH、ポリアクリロニトリル(PAN)などがあります。

②「透過性、選択透過性」は、野菜や果実などの青果物の鮮度保持包装の場合、包材にはガスバリア性でなく、包装内のガス濃度をコントロールするために、適度なガス透過性と酸素ガスと炭酸ガスの選択透過性が必要となります。

フィルム包材としては、ブレンド組成のポリオレフィン、ポリスチレン(PS)、微細孔ポリオレフィンフィルムなどがあり、揮発性物質の透過性は、スモーク用の合成ケーシング、畜産・水産練り製品の薫製用包材に必要となります。

③「防曇性」は、青果物の鮮度保持包装の場合、青果物の水分蒸散作用によって生ずる水が、包材フィルム表面に付着して水摘を形成すると、外観が悪くなって商品性が低下するだけでなく、微生物の生育・繁殖の要因となり、青果物の腐敗につながります。

このような水滴の付着を防ぐ特性が防曇性で、プラスチック包材に表面活性剤を添加する方法が一般的です。

【Solid matter】包み包まれ梱包材 のtopへ