機能性包装

今日使われている包装は、もともとも内容品を保護するという機能に様々な機能が加わってきましたが、とりわけ優れた機能を持つ包装材料を機能性包装材料と呼んで機能を強調する形で使われるようになってきました。

この機能性包装材料や機能性包装副資材のうち代表的なバリア性機能についてご紹介していきます。

まずは代表的な機能から上げると以下のようになります。

①バリア性(遮断性)

②非収着性

③透過性、選択透過性

④防曇性

⑤揮発性物質吸着性・分解性

⑥抗菌性

⑦吸水性

⑧吸湿性

⑨耐熱性

⑩その他

となります。

最初の①バリア性(遮断性)は、更にバリアする対象物により「酸素ガスバリア性」、「炭酸ガスバリア性」、「芳香性物質バリア性」、「水蒸気バリア性」、「光遮断性」、「断熱性」に分けられます。

最初の、「酸素ガスバリア性」は、酸素をバリアするもので、バリアする機能は劣るプラスチック系包材を用いた食品包装において最も重要な機能で、樹脂包装材料としては、ポリ塩化ビニルデン(PVDC)、エチレンピニルアルコール共重合体(EVOH)、MXD6ナイロンなどが使用されています。

特にバリア性の高い材料として、透明蒸着フィルムやナノコンポジット樹脂コートフィルムなど、新規のバリア材開発が進められています。

次に「炭酸ガスバリア性」は、炭酸飲料の容器やガス置換包装の包材に必要な特性で、酸素ガスバリア特性と同じような傾向で、同様の材料が使用されています。

「芳香性物質バリア性」は、保香、移り香防止に必要で、酸素バリア性の良好な包材は芳香性物質バリア性にも優れています。

「水蒸気バリア性」は、乾燥食品の包材に必要な機能でとなります。医薬品包装、特に錠剤や散剤の包材には不可欠な特性で、工業包装の防錆にも重要となります。

この機能は、酸素ガスバリア性と異なり、酸素ガスバリア性が良好な包材の水蒸気バリア性が必ずしも良好とはいえません。

ポリエチレン(PE) やポリプロピレン(PP) の酸素ガスバリア性は低いが、水蒸気バリア性は良好というものもあります。

PVDCや透明蒸着フィルムはともに良好な特性を示しますが、EVOHやナイロンは水蒸気バリア性で劣ります。

「光遮断性」光線(紫外線)により変質する食品、医薬品、化粧品などの包材に要求され、アルミ箔などが使用されることもありますが、透明性が要求される場合は、紫外線防止剤が使用されています。

「断熱性」は、インスタント食品の断熱カップなどに必要な機能で、保冷容器にも重要です。材料としては、発泡樹脂やアルミ蒸着フィルムなどが用いられます。

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